突然に起きる下腹痛

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突然に起きる下腹痛

性交の最中や直後に突然、強い腹痛が起きたといって来院される方がときどきおられます。たいていは排卵期の性交による卵巣からの出血(卵胞出血)が原因です。排卵のとき卵巣の表面が破れて少量の出血とともに卵子が出てくるのですが、たまたまそのとき性交による刺激が卵巣に加わったりすると多くの血液が出ることがあります。お腹の中にでた血液は腹膜を刺激して激しい腹痛を起こします。

また、排卵期でなくても排卵後に卵巣にできる黄体に出血がたまってできるのう胞(黄体のう胞)が破れてお腹の中に出血して痛みが出ている場合もあります(黄体出血)。黄体のう胞が破れるときは次の生理の1週間くらい前に起きることが多いようです。

卵胞出血や黄体出血を卵巣出血というのですが、エコー等で検査すれば診断がつきます。出血の量にもよりますが、たいていは、痛み止めや止血剤を使って安静にすれば血液は吸収されてゆき、腹痛もなくなってしまいます。

その他、突然に腹痛が起きる原因としては子宮外妊娠や卵巣腫瘍がねじれる卵巣腫瘍茎捻転(卵巣は靱帯によってお腹の中にぶらさがった状態にありますので靱帯を軸にして卵巣腫瘍が捻転する場合があります。)といった病気もあり、これらの場合には、速やかな手術が必要となります。

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