おりもの(帯下)が多い、臭う、色がおかしい等

おりもの(帯下)に異常を感じたときは、膣内や子宮頚部(子宮の入り口の部分)に病原体の感染がないかどうかを検査することが必要です。

トリコモナスは性行為感染症の一つですが、感染するとおりものの量が増えて臭いがすることが多いです。また、黄色ややや緑がかった色になり細かい泡を含んでいることもあります。おりものを顕微鏡で観察してトリコモナス原虫を確認できれば診断できます。治療にはフラジールという膣錠と内服薬を使います。トリコモナスは膀胱や直腸といった膣の隣接臓器にも感染が及んでいる可能性がありますので、内服薬も併用します。

カンジダが膣内で増殖すると膣壁が赤くなり塊まりのあるおりものも増えることが多いです。また、カンジダが外陰部にまで広がると外陰部が赤くなり、かゆみや痛みが起きます。おりものを顕微鏡で見てカンジダの仮性菌糸や胞子を確認できれば診断がつきます。カンジダは抗真菌剤の膣錠や外用薬で治療します。

おりものに臭いがでる場合に最も多い原因は膣内で雑菌が増えているときです。膣内にはデーデルライン桿菌と呼ばれる乳酸菌が増えているのが正常ですが、何らかの原因で正常細菌叢が乱れてガルドネレラ菌などの雑菌が増えるとおりものがさらさらになり臭いが気になるようになります。細菌性膣症と言います。おりものを顕微鏡で見てクルー細胞といった目印になるものから診断します。フラジールやクロマイ膣錠で治療します。

おりものが黄色く膿状で膣壁も発赤しているときは大腸菌などの病原菌が外から膣内に入って炎症を起こした細菌性膣炎や子宮頚部に淋菌などが感染していることもあります。また外子宮口から水の様な分泌物が多量の出ているときはクラミジアが感染している可能性があります。クラミジアや淋菌は子宮頚部を綿棒でこすって検査します。