カンジダ症

カンジダは真菌というカビの一種です。カンジダは性行為によって人からうつされることもありますが、体調不良で抵抗力が低下した、かぜ薬や抗生物質を飲んだことなどがきっかけとなって元々膣内にいたカンジダが増えて症状を起こしているケースがほとんどです。カンジダは健康な場合でも、皮膚、口、消化管や膣にいる菌で、普段は人体に害は与えませんが、疲労、ストレス、免疫抑制剤等で抵抗力が低下すると増殖して症状がでるようになります。

カンジダの一般的な症状は外陰部のかゆみですが、炎症が強くなると痛みやヒリヒリする感じが起きます。また膣内に痛みを生じることもあります。一般的には、塊りのある白いおりもの(帯下)が増えていることが多いのですが、カンジダであってもおりものは正常に見えることもありますので、診断するにはおりものを採取して顕微鏡で観察してカンジダを見つけることが必要です。

カンジダは膣内の常在菌ですのでカンジダが見つかったからといってかゆみ等の症状がなければ治療の必要はありません。治療には、抗真菌剤の膣錠や塗り薬を使います。かゆいからといってフェミニーナ軟膏などを薬局で買って塗っている方もおられますが、カンジダにステロイドなどの炎症を抑える薬を塗るとかえって悪化するので要注意です。多くの場合、治療を始めてから数日で治りますが、一般的には治療が終わってから約2週間後に治ったかどうかを診断します。症状がなくなれば治ったと診断できます。

1年間に4回以上のカンジダを繰り返す場合や治療しても治り難いときには、抗生物質や女性ホルモン剤などカンジダが増えやすくなる薬の服用、糖尿病など抵抗力が低下する病気、性行為や腸内のカンジダといった性器以外の感染源などの有無をチェックする必要があります。