子宮がんには子宮の入り口付近にできる子宮頚がんと子宮の内部にできる子宮体がんの2種類があります。どちらもがんですが、その原因は異なります。
子宮頚がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因で起こります。
子宮体がんの原因ははっきりとはしていませんが、ウイルスの感染でなくエストロゲンという卵巣からでる女性ホルモンが長期間にわたり子宮内膜に作用したり、プロゲステロンという別の女性ホルモンによって作用が弱められない状態が長く続くと発生率が高くなります。
子宮頚がんは、正常な細胞がいきなり癌細胞に変化するのでなく、異形成という正常と癌との中間の段階を経て癌に変化します。
子宮がん検診はこの異形成という中間の段階を発見することに意味があります。この段階で発見できれば比較的簡単な治療で完治することが可能だからです。
子宮頚癌の検診には、ブラシのようなもので子宮の入り口を擦って細胞を採取して行う細胞診とパピローマウイルスの検査(HPV検査)の2種類があります。いずれの検査もブラシで擦るだけですので痛みはほとんどありません。検査の結果は1週間くらいででます。
結果によって定期検診でよい場合、精密検査を受けた方がよい場合やすぐに治療を受けた方がよい場合に分かれます。
一般的には細胞診のみを行うことが多いですが、より正確な検査をするにはHPV検査も行った方がよいのです。例えば、細胞診が陰性(正常)との判定であってもHPV検査が陽性(ハイリスクのHPVの感染が認められる。)ときは、3ヶ月?6ヶ月ごとの検診を受けることが必要になるからです。
パピローマウイルスには100種類以上のタイプがあって、そのうち子宮頚がんの原因となるのは、16、18、33、52、58型などです。最近では子宮頚癌の予防ワクチン(サーバリックス)もありますが、今のところ予防できるのはHPVの16型と18型の感染のみですし治療効果はありませんのでやはり検診は大切です。
星光クリニック(大阪なんばレディースクリニック)