生理とは関係のない時期に起きる下腹部の痛み

まず、尿の妊娠反応で妊娠していないかどうかを知る必要があります。
妊娠している場合は、正常な妊娠であっても子宮の収縮で痛みが生じることもありますが、切迫流産や子宮外妊娠などの異常の有無を超音波などで検査します。

妊娠していない場合で、このような生理と無関係に下腹部に痛みがでるときは何かの病気がある可能性が高いので子宮や卵巣・卵管やその周辺の部分(骨盤腔といいます。)を検査する必要があります。

下腹部に痛みを起こす子宮の病気には、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜炎や子宮がん等があります。
子宮筋腫は生理痛が起きる場合が多いのですが、筋腫が大きくなったり捻転したり変性して感染すると生理以外の時期にも痛みが生じるようになります。
子宮腺筋症は子宮の内側にある内膜が子宮の筋肉の中にできる病気です。
筋腫も腺筋症も超音波エコー検査で比較的簡単に分かります。
子宮内膜炎は子宮の中に病原菌が感染して炎症を起こしている状態です。子宮の中から検体を採取して培養したりして診断をつけます。
その他、子宮がんも初期には痛みはありませんが、かなり進行して神経を侵したり子宮の出口をふさいだりするようになると痛みがでてきます。子宮がんは細胞や組織をとって調べることで分かります。

卵巣の病気では、卵巣に腫瘍ができてそれが捻じれたり破裂すると痛みがでます。排卵後にできる黄体という組織の中に血液がたまることもめずらしくないのですが、それが破れてお腹の中に流れでると血液は腹膜を刺激しますので強い痛みがでます。性交後に急にお腹が痛くなったという場合はたいてい黄体からの出血です。
また卵巣に子宮の内膜ができる卵巣子宮内膜症(チョコレートのう胞とも言います。)という病気があるのですが、これも初期には生理痛のみなのですが重症になると生理以外の日にも痛みがでるようになります。
卵巣の腫瘍やお腹の中の出血も超音波エコーで調べればわりと容易に診断可能です。

骨盤腔にクラミジア、淋菌といった性病や大腸菌などの病原菌が広がると痛みを感じます。
クラミジアの場合は比較的症状が軽く、痛みというより違和感を感じることも多いです。但し、クラミジアがもっと広がって肝臓の周囲までゆくとかなり強い痛みを感じるようになります。
その他、子宮内膜症が骨盤腔にできる場合もあります。とくに子宮と直腸の間(ダグラス窩と言います。)にできる場合が多いです。ダグラス窩子宮内膜症も超音波エコーなどで診断します。

婦人科の病気以外にも下腹痛を起こす病気がありますので、婦人科的な検査で異常が見つからないときは、内科や泌尿器科の診察を受けることが必要になる場合もあります。

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