甲状腺の病気に伴う生理の異常

甲状腺はノドのところにあるホルモンを作る器官です。トリヨードサイロニンやサイロキシンといった主に体の活動性に関与する甲状腺ホルモンを分泌します。甲状腺ホルモンが減少しても逆に増え過ぎても生理(月経)に影響します。

甲状腺の機能が落ちて甲状腺ホルモンが低下すると疲れやすくなったり、寒さに弱い、肌が乾燥するといった症状がでるのですが、排卵にも障害が生じて、生理の間隔が長くなったり、ばらばらになったりまた生理が止まってしまうといった異常がでることがあります。
治療では甲状腺ホルモン剤を服用して甲状腺ホルモンの値を正常にします。

甲状腺のホルモンが過剰に分泌される場合にも生理に異常がでることがあります。甲状腺のホルモンが多すぎると汗をかきやすい、脈が速くなるといった症状がでたり、生理の量が多くなったり不順になるといった異常が起きる場合があります。ただし、甲状腺ホルモンが過剰の場合は、低下の場合と異なり排卵はしていることが多いです。
治療は甲状腺ホルモンを抑える薬を服用します。甲状腺機能亢進症にみられる生理の異常の大部分は治療で甲状腺機能を正常化すると改善します。

また体重が減って生理が止まってしまう場合(体重減少性無月経)にも甲状腺ホルモンが関係しています。この場合には、甲状腺ホルモンのうちトリヨードサイロニンのみが低下していることが多く、疲れやすい寒さに敏感になるといった症状は生じることはありません。

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