立っているのもつらいほどの生理痛(月経痛)

生理のとき何らかの痛みを感じる方は多いのですが、重症の生理痛になると立っているのもつらい、へそ周りに刺すような痛みがある、熱がでるといった生活に支障がでるような場合もあります。月経困難症といいます。
また、生理が不順の方に多いのですが、生理前の症状や生理痛が強い月とそうでない月があるといったケースもあります。生理不順は卵巣からの排卵があったりなかったりすることと関係しているのですが、一般的に排卵のあった後に来る生理のときにこういった症状が強くでる傾向があります。

生理痛がひどくて受診された場合は、まず生理痛が強くなる病気がないかどうかを調べることが重要になります。子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜症、下腹部の細菌感染、子宮の奇形などです。
超音波エコーでお腹の中を観察したり、血液検査を行えば、比較的容易に診断がつきます。
ただし、子宮内膜症の中には通常の検査では分かりにくいものもあります。
病気が原因で生理痛が強くなっているときは、生理痛の治療より原因となっている病気の治療が必要となります。

病気がなくても生理痛が強い場合もあります。機能性の月経困難症といい、生理のときにでる子宮や血管を収縮させるホルモン(プロスタグランディンやロイコトリエンなどの)が原因です。
強い月経痛に悩まされると精神的な影響でさらに痛みが強く感じることがあります。

病気がなく痛みもさほど強くないときは、市販の痛み止め(イブプロフェンなど)も十分有効です。生理痛があるとき1日に3?4回を数日飲んでも全く構いません。それで効きにくくなることもありません。
重症の生理痛で市販薬があまり効かない場合は、病院で処方された鎮痛薬の方が有効です。座薬だと30分くらいでかなり楽になります。
その他、重症の生理痛の場合には、子宮内膜症の治療薬(ディナゲスト)でしばらく生理を止める治療をすると生理が再開した後もかなり楽になる方がおられます。生理の再開後にも痛みがあるときは低用量ピルを使うと生理痛が軽くなることが多いです。

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