卵巣からでる女性ホルモンが減ることを背景にして起きる膣炎です。年齢に伴う卵巣の働きの低下、病気など両側の卵巣を手術で摘出した、あるいは卵巣の働きを抑える薬を飲んでいるといったような場合には卵巣から出るエストロゲンという女性ホルモンが減少しています。エストロゲンが減ると膣の壁が薄くなり、膣壁に含まれるグリコーゲンも減ってしまいます。グリコーゲンが減ると膣内の乳酸が減り膣内の酸性度が低下します。膣内が酸性に保たれることで雑菌の繁殖を防いでいますので、酸性度が落ちると大腸菌などの雑菌が増えて膣炎を起こしてしまいます。
萎縮性膣炎になると膣炎に加えて膣壁も薄くなっていますので、性交痛、不正出血や膣にヒリヒリする灼熱感が生じることがあります。これらの症状に加えて、おりものを採取して顕微鏡で観察すると雑菌や白血球が増えていたり、膣内を見ると壁が薄くなっていたり粘膜の下に出血が認められること等から診断がつきます。
治療は、抗生物質の膣錠、女性ホルモンの飲み薬や膣錠を2週間くらい使います。